こんにちは、最近亀田 潤一郎著『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』を読んでちょっと良い財布を衝動買いしたkusuです。
今回は、TRIAND一周年目前ということで何を書こうかいろいろ考えました。BYSPICEからTRIANDへ、この1年は大きな変化がたくさんありました。法人化もそうですし、社名変更や自社インフラの整備、仕事の取り方のアップデートや新しい方々との素敵な出会い…。そんないろいろな事が嵐のように過ぎていった1年でしたが、その中での1番は?と聞かれたら僕も小橋も『平野の加入』と即答するでしょう。
いまやTRIAND立ち上げのメンバーとして一緒に仕事をしているのは至極当然のこと。ですが、BYSPICEが始まるその瞬間から、口を揃えて「平野が入ってこのチームは完成だ」と言っていた僕と小橋には本当に大きな出来事でした。
なので今回は、『平野加入裏話』をつらつらと書き綴ろうかと思います。長文駄文ですので、本当にお暇なときに読んでみてください。
なぜ彼は入ったのか。
なぜ彼は最初からいなかったのか。
話は6年前、2006年の5月にさかのぼります。
当時僕たち3人は大学4年生。僕と小橋はTRIANDの前身であるBYSPICEdesignを立ち上げました。平野は普通に就職活動をしていて、メーカーやWEB制作会社の入社試験を受けていました。僕らも正直、後先考えず始めたような部分があったので、呑みに誘うようなノリで人を誘うことはできません。それに大学卒業後の進路というものの重要性もわかっていました。平野も「就職したい」と言っていたし、実際大手WEB制作会社に就職を決めました。僕らは「社会に出てもらっていろんなものを吸収してもらって、こちらもいい環境を用意してしかるべき時に声をかけよう」という結論をだし、それに向けて頑張って行くことにしました。平野もそれを良しと言って社会に出て行ったので僕らは安心しました。
卒業して2年。2009年4月。僕らはまあこつこつと頑張っていて、学生の頃からルームシェアしていた築40年のボロ一軒家(2階建て)から現在の事務所に移転しました。そのタイミングで平野が会社を辞めるという話を聞き、僕らは満を持して勧誘する事にしました。まだ鍵をもらっただけの何もない新事務所に平野を呼び出し、ダンボールを机にして日本酒を呑みながら話をしました。「ウチにこないか」「いいタイミングだと思う」
結果は、見事にフラれました。
理由はいろいろあったと思いますが、彼が僕らにいった事はおおむね2つ。ひとつは「一社行ってみたい会社がある」。もう一つは「立ち上げメンバーじゃないっていうのがいまいちテンション上がらない」というものでした。「もしその行きたい会社を落ちたら行っても良い。でも俺は自分の独立への足がかりにしか思えないと思う」と。
おいおいおいおいおいおい。話がちげーよ!!!(笑)
就職したがってじゃんか!!いやわからんでもないけどさー。
小橋はひどく落ち込みました。僕はその上からの物言いに腹をたててたような気がします。ここで僕らは「この先平野と一緒に仕事をすることはないんだろう」という判断をし、いろいろ切り替えていくことを余儀なくされました。
それからの2年は、平野は新しい会社で、僕たちは自分たちの会社でお互い頑張りました。公私を混同することはなく、友人として関係は続きました。
そして2011年某日。運命の日を迎えました。
その少し前から平野は会社を辞める事を考えていました。僕らはもう彼を誘うという気はなく、またあっても言ってはいけないと、その話にまさに「人ごと」として接していました。
彼は、お金を貯めて1ヶ月くらいアメリカに行くという計画をたてていました。僕は友人としてその計画に乗っかり、一緒にアメリカ旅行をする話を会うたびにしていました。その日もそんないつもの日になるはずでした。
事の発端は、僕の「おれは仕事しながら旅しようと思えばできるし、終わったら帰ってきて仕事するだけだけどさ、平野は辞めて行って帰ってきて、そのあとどうしようと思ってんの?」という質問だったと思います。
すると突然平野が 『 腹 を 割 っ て 話 そ う 』 と言い出しました。
だてに9年来の付き合いではない僕は全てを理解しました。「ウチに来ないか」
こうしてTRIANDへの流れが生まれました。「一度フった手前自分からは言えなかった」という平野の変なこだわりと言うか男気というか。平野が実際にどう思ってこの選択肢を自分の中に復活させたのはわかりません。もしかしたら打算的なものも含まれていたとも思います。でも確実にあの日あの場所で何かがはじけ始めた瞬間でした。
そして、これから気持ちよく一緒にやっていく上で、お互い条件を出し合いました。平野から出された条件が、また平野らしくて面白かったんですが、
「 元 カ ノ の 匂 い を 消 し て ほ し い 」と(笑)
つまり、BYSPICEに自分が入るのではなく、3人で新しく立ち上げたいと。そここだわるな(笑)
その日のうちに新社名の会議を行い、『TRIAND Inc.』が誕生しました。そして法人化も決まりました。
こちらからの条件は「自力で資本金111万をつくってこい」というものでした。
毎日掃除をすることを条件にタダで事務所に住まわせ、資金繰りのサポートをしながら準備は着々と進みました。ロゴ、名刺、WEB、法人化の手続き。そして2011年5月10日、株式会社トライアンドを登記し、6月に平野が正式に弊社に加わりました。
僕らは株を1:1:1で持ち合っています。代表は小橋にたってもらってますが、発言力は完全なイーブン。報酬も全く同額です。弊社を見てもらっている税理士さんを始め、各方々から「それはやめた方が良い」「それをやって結局お金の問題で解散した人たちをいっぱい見てる」と心配していただきましたが、僕ら3人はまったく心配していませんでしたし、今も、そしてこれからもこのスタンスで行くと思います。それは、この三人がそのへんで集めてきた三人ではないということ。大学時代にした大げんかも何もかも含めて、紆余曲折、波瀾万丈に時間を共有してきた三人だから、きっと大丈夫だと思えるのだとおもいます。会社自体はまだ1年しかたってませんが、9年かけて造られた土台の上にあるTRIAND一周年。それを目前にしてしみじみと思ったりしたのでした。
あ〜腕疲れた…あと平野を褒めすぎた。ちなみに今の平野は前述の日記でもあるように最近声優とアイドルに夢中で、僕らをはじめとする9年来の友人達に「いままでの平野の中で今が一番気持ちわりい(笑)」ともっぱらの評判です。(kusu)