デザイナーがワークショップを学ぶ理由

こんにちわ。デザイナーの平野友規です。
近年、高性能のパソコンとデザインアプリケーションが安価で手に入ることで、誰でもデザインを始めることが可能となりました。更に「ランサーズ」や「クラウドワークス」といったクラウドソーシングサービスの登場は、デザイン業への参入障壁を下げています。

一方、デザイン思考という「デザイナーの感性と手法を用いた創造的な問題解決の方法論」の普及は、様々な業態・業種・職級で働く人々がデザインに関わる機会を与えてくれました。いま、デザイナーの専門性は「技術」と「思考」の両面から大きく変わっています。現場にいるとデザイナーの専門性とは何かを問われている機会を多く感じます。

今までの専門性に加えて更なる、デザイナーの新たなる専門性とはどういったものなのか?その糸口のひとつに近年増加傾向にある協力・共同作業を前提にした施設にあると考えています。例えば、大阪の「ナレッジキャピタル」、千葉の「KOIL」、神奈川の「RICOH Future House」です。これらの施設は、企業・行政・大学などの組織が持つ技術やアイデアを相互的に組み合わせ、革新的な価値創出によって問題解決を試みる「場」です。注目すべき点は価値創出の精度や品質は「場」の持つ創造性により大きく左右されるという点です。私はここにもデザイナーの新たな専門性があるのではないかと期待しています。

つまり、デザイナーが「対話の場づくり」という専門性を取り入れることで、デザイナー以外の人がデザインプロセスに参加することを可能とします。その参加方法のひとつにワークショップがあるのです。ワークショップがデザインプロセスとノンデザイナーを結ぶ架け橋となるのです。

そんなワークショップに昨年注目し、青山学院大学社会情報学部ワークショップデザイナー育成プログラムプログラムを受講しました。120時間の講座を修了すると、青山学院大学から学校教育法にもとづく履修証明書が発行され「青山学院大学学校教育法履修証明プログラム修了認定ワークショップデザイナー」というお墨付き?が与えられるプログラムです。このワークショップデザイナー育成プログラムは、昨年のグッドデザイン賞特別賞「未来づくりデザイン賞」を受賞し、更に文部科学大臣認定「職業実践力育成プログラム」(BP)の認定を受けました。良いタイミングで受講できたなとつくづく思います。

今後、ワークショップを使いながら相模原市の社会問題に取り組んだり、今まで以上にデザイナー以外の人をデザインプロセスに巻き込んでいくようなワークショップを考えています。

株式会社トライアンドは、ワークショップを取り入れながら企画段階からクライアントとの対話を通し、一気に最終成果物を描き上げ、協創するための土台ごとデザインしていくような新規事業支援を得意としています。また、ワークショップ単体の企画・実施も承っております。各種SNS(Twitter, Facebook)や公式サイトからお問い合わせください。

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ワークショップ活動報告「さがまち学生Club」

〜 RICOH THETA(全天球カメラ)を使ったワークショップの企画・実施 〜

こんにちは、デザイナーの平野友規です。
“学生のチカラでまちを盛り上げる”をコンセプトにして活動している「さがまち学生Club」という大学生の団体があります。公益社団法人相模原・町田大学地域コンソーシアムが事務局として「さがまち学生Club」を支援し、弊社も一緒になってお手伝いしております。

「さがまち学生Club」のメンバー募集は半年に1回します。つまり、メンバーの流動性は非常に高く新旧が交錯します。「さがまち学生Club」を盛り上げていくためにも、協働性は非常に重要です。参加者一人ひとりがお互いを理解し、協創をする心構えを学ぶきっかけとして、RICOH THETA(全天球カメラ)を使用したワークショップを2015年の11月に実施しました。以下、当日のワークショップのプログラムとなります。

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(1)イス取り自己紹介
アイスブレイクも兼ねて自己紹介。今回のために開発した特製のカードに描かれている模様や色を使って、ランダムで二人組を作り自分のことを紹介してもらいます。紹介が終わったらイスに戻るという流れを繰り返します。中には名刺交換のようにお互いのカードを見せ合っている学生もいました。

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(2)見えない共通項さがし
自己紹介で緊張がほぐれたところで同じカードを使い、4人のグループを作り、それぞれのグループで共通点を探し発表するというワークをしました。ただし、共通項は目に見えない部分のみ。自己紹介の内容や会話を通して、お互いを探っていきます。外面では分からない共通項を探り発見することで、内面的な多様性の尊重と他者理解の促進を狙いました。

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(3)RICOH THETA(全天球カメラ)を使った協創
さらに人数を増やして、いよいよRICOH THETA(全天球カメラ)を使ったグループ制作に入ります。360°まるごと撮影できるという特性を使って、各グループに全天球写真の作品を撮影してもらいました。机の上でちゃんと考えてからすすめるチームや、撮りながら考えていくチームなど、それぞれの方法で進めました。また、編集長とカメラマンという役職を設けることで責任の所在や組織的な意思決定にも触れてもらいました。

(4)発表・投票
最後にグループごとに発表者を一人決め、それぞれとった写真をプロジェクターに投影して発表します。コンセプトや見どころの説明をしてもらったのですが、たくさんコミュニケーションをとりながら制作していたためか、みんな笑顔で戸惑うことなく説明していました。
それぞれの発表を聞き、最初に配ったカードを使って一番よかったと思うチームに投票し、本日の内容をグループ毎に振り返ってもらいプログラムは終了しました。

さがまち学生Club – Spherical Image – RICOH THETA


▲学生投票で1番だった作品「黄色グループメンバーを探せ!」

活動報告は以上となります。

株式会社トライアンドは、ワークショップを取り入れながら企画段階からクライアントとの対話を通し、一気に最終成果物を描き上げ、協創するための土台ごとデザインしていくような新規事業支援を得意としています。また、ワークショップ単体の企画・実施も承っております。各種SNSや公式サイトからお問い合わせください。

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